渡航前面談レポート#8:村本剛毅

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CG-ARTS(公益財団法人画像情報教育振興協会)

知覚やコミュニケーションを探求するアーティストの村本剛毅さんは、渡米直後の個展を皮切りに、代表作の展示やパフォーマンスを予定しています。複数日にわたって行われた面談では、現地の文脈に合わせた発信方法や、個展を起点としたネットワーク構築、研究者との対話の可能性について議論がなされました。自身の活動をひとつの流れとして伝えるための準備について、アドバイザーとのやりとりをレポートします。

面談実施日:2026年3月13日、30日、4月20日

アドバイザー:戸村朝子
個展の機会を最大限に活かして活動を展開する

アドバイザーの戸村朝子さんとの面談では、渡米直後に開催予定の個展に向け、現地の文脈に合わせた発信や展示方法が議論されたほか、滞在前の準備や早期の活動展開の重要性が共有されました。
村本さんは渡米後すぐにニューヨークのギャラリーNguyen Wahedで個展を開催し、《Imagraph》《Lived Montage》《Training Wheels》という3作品を展示する予定です。ギャラリーのキュレーターと相談しながら、これまでの日本での個展を踏襲することにこだわらず、プランを一から検討しているとの報告がありました。戸村さんからも、これまで活動してきたコミュニティの外に出ることになるので、現地のコンテキストに沿うよう組み直すことは大事であるという意見が共有されました。
また、オプティカルファイバーを使って参加者の瞼に映像を投影する《Imagraph》については、睡眠中に体験してもらうことも検討していますが、実施する際は参加者に同意書をもらうことなど、展開する先の慣習や考え方にも配慮し、ニューヨーク拠点のアドバイザーや専門家との相談を勧められました。
個展は滞在期間の前半に開催するため、他の活動を後半に分散させるのが良いかという質問に対しては、戸村さんから、早い段階で大きな活動を行うことでつながりが生まれ、そこから新たな活動へと発展していく形が理想的であり、そのためには渡米前にできる準備はできるだけ済まし、滞在中に挑戦しようと思っていることは早めに実施するのが良いとのアドバイスがありました。

アドバイザー:エキソニモ
ニューヨークでの作品展示とそのコミュニケーションについて

エキソニモの千房けん輔さんと赤岩やえさんとの面談では、個展の周知方法や、展示に参加してくれる協力者の探し方について意見交換が行われました。
村本さんからはまず、滞在中に開催する個展で展示する作品や会場構成について紹介があり、開催時期については渡米後すぐのタイミングになる可能性があるため、周知する時間が足りないのではないかという懸念も共有されました。これに対してエキソニモの二人からは、すでにつながりのあるNEW INCやWANのアドバイザーなどの協力を仰ぐだけでなく、ギャラリーのメーリングリスト、また日本で交流のあるキュレーターやアーティストを通してニューヨークの主要なキュレーターなどを紹介してもらい、直接招待することが効果的ではないかというアドバイスがありました。
また、第一期採択クリエイターの一人である宇佐美奈緒さんがゲストを招いてトークイベントを開催した際にはゲストのSNS発信も効果があったことから、同様のイベントを活かして展覧会の情報を拡散することも検討され、タイミングや場所、ゲストの候補について議論されました。
《Imagraph》を睡眠中に体験してもらうという案については、ギャラリーでの開催は難しい可能性があるので別の場所を検討することや、作品自体を初めて体験する人は恐怖心を持つかもしれないので、一度個展に来てくれた人に声をかけると良いのではないかという提案がされました。

アドバイザー:サロメ・アセガ
作品の批評や対話を通して生まれる新たなつながり

アドバイザーのサロメ・アセガさんとの面談では、個展についての批評に関して、どういった分野の人物が適しているのか、また展示情報の発信方法について議論されました。
村本さんからは、個展で展示する作品群が自身の最近の活動を総括するようなものであることから、鑑賞者だけでなく、展覧会を批評してくれる人物も招待したい旨が共有されました。アセガさんからは、画像や光の知覚と脳の働きにまつわる作品であることから、クリエイティブテクノロジストなど科学と芸術の分野を横断する研究者、神経科学の研究者も候補になるのではないかという意見が出されました。
また、批評などの記事の執筆者に向けての情報発信に関しては、通常はギャラリーからプレスリリースが配信されることも共有されました。加えて、ヒョンデが運営するArtlabというプラットフォームや、アートとテクノロジーに関する記事をニュースレター形式で配信するOutlandといった団体へも、ギャラリーを通してコンタクトを取ると良いとのアドバイスがありました。
村本さんは滞在期間の後半にダンスパフォーマンスを行うことも検討しているということで、アーティストが運営するスタジオ「99CANAL」も紹介されました。
最後に、アセガさんのプロジェクト「Iyapo Repository」について、ワークショップを通して参加者が今あるものの代替となるものを創作するという点で村本さんの活動と共通しており、ニューヨークでさらに議論を深めることが約束されました。

アドバイザー:イェスル・ソン
展示とパフォーマンスのつながりをつくり、活動をひとつの流れとして伝える

アドバイザーのイェスル・ソンさんとの面談では、パフォーマンスを効果的に実施するために、形式や会場について議論されました。
ソンさんからは、ニューヨークで展示予定の村本さんの作品について、参加者は実際にどういった映像を見ているのか、パフォーマンス形式の場合は観客が見るスクリーンにはどの映像が映されるのかといった質問が投げかけられ、パフォーマンス実施に際してどういった場所が適切なのか検討されました。
ニューヨークではオープニング、パフォーマンス、レクチャーといったイベントに合わせてギャラリーを訪れる人が多いことから、個展の会場でパフォーマンスを行う、または別の場所で実施する際にも個展とのつながりがわかる見せ方をすることで、約2ヶ月という短期間であっても村本さんの活動を印象付けられるのではないかという意見が出されました。
また、パフォーマンス向けの会場やギャラリーではなく、観客との交流を持てるような場で実施することで、さまざまな意見を取り入れられるのではないかという提案もありました。そうした場の一つとしてNYUのITP Campについて言及され、同時期にニューヨークに滞在している花形さんと一緒にパフォーマンスやトークイベントを行う可能性も検討されました。
村本さんは研究者としての活動も行っており、ニューヨークでも他の研究者と話す機会を持ちたいとのことで、ソンさんからはNYUのメディア・文化・コミュニケーション学部を当たってみると良いのではないかというアドバイスがありました。