渡航前面談レポート#6:小宮知久

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CG-ARTS(公益財団法人画像情報教育振興協会)

メディアアーティストであり作曲家の小宮知久さん。ニューヨークでは、自作の人工言語を歌う装置「koekko」のパフォーマンスや消滅危機言語のリサーチ、現地作家との二人展を予定しています。渡航前に開かれたアドバイザーたちとの面談では、現地の専門機関へのリーチ方法や、言語というテーマを軸にした人脈の広げ方などについて具体的な助言が交わされました。多言語都市で新たなプロジェクトの糸口を模索するプランの様子をレポートします。

面談実施日:2026年3月11日、30日、4月24日

アドバイザー:戸村朝子
滞在中の活動の可能性を最大化するために

アドバイザーの戸村朝子さんとの面談では、滞在中の活動を最大化するために渡米前から準備することの重要性が議論されました。
小宮さんから、フィンランド語と日本語を融合した人工言語を歌う装置「koekko」を使って滞在中に行う屋外パフォーマンスの計画や、ニューヨークの少数言語に関するリサーチを通して次のプロジェクトや作品に繋げていきたいという話がありました。ニューヨークにおける消滅の危機にある言語についてのリサーチやランゲージマップの作成なども行うEndangered Language Allianceなどの団体へコンタクトを取る際は、現地の知り合いを通した方が良いのかという質問に対して、戸村さんからは、自分たちでは想像しえないコミュニティに入ることになるので、現地の機関から紹介してもらう方が適切にリーチできるのではないかというアドバイスがありました。また、わからないことや、伝手については滞在を終えたばかりのWAN第一期の採択クリエイターに尋ねることも提案されました。
連絡をしてからアポイントが取れるまで時間がかかる場合も多いことや、現地での活動を通して新たな出会いが生まれる可能性が高いことにも言及し、渡米前に、メールの送付を始めておく、オンラインミーティングなどで作品を紹介するなど、できるだけ済ませておくてことで、約2ヶ月という滞在期間中の自由度が上がるという点も議論されました。

アドバイザー:エキソニモ
ニューヨークで今後につながる関係を築くには

エキソニモの千房けん輔さんと赤岩やえさんとの面談では、滞在中の人脈の広げ方について話し合われました。
小宮さんは、「koekko」を携え、屋外でのパフォーマンスや撮影を予定しています。滞在中は非営利の芸術団体であるHarvestworksのデスクや、同団体がガバナーズ・アイランドにもつ発表拠点にてパフォーマンスを行う計画が共有されました。
小宮さんの作品は音楽を扱うものですが、ニューヨークでは、サウンドアートの分野を超えたアート分野にもつながりたいと考えているそうです。エキソニモからは、Harvestworksでの活動など、すでに予定しているものを通して知り合ったアーティストとのつながりを出発点に、徐々にネットワークを広げていくという方法が一番の近道なのではないかという話がありました。そのためにはアートのなかでも特にどういった人と会いたいのかを明確にすることが重要だというアドバイスがありました。小宮さんは、滞在期間中に開催される音響関連の学会への参加や、ニューヨークで活動中のアーティスト、下村奈那さんとの二人展の開催を予定していたり、フィンランド・センターとのつながりがあることを述べ、そこからさらなるネットワークを広げていくことも話し合われました。

アドバイザー:サロメ・アセガ
言語をきっかけとしてネットワークを広げる

アドバイザーのサロメ・アセガさんとの面談では、言語をテーマとした作品の発信の方法や、ニューヨークでの協働相手について意見交換が行われました。
小宮さんからは、NEW INCの年次イベント「DEMO2026」のステージイベントへの参加や、下村奈那さんとの二人展の計画などについて紹介があり、「DEMO2026」ではどういったプレゼンテーションが適しているのかという質問がアセガさんへ投げかけられました。イベントでは各自の持ち時間は10分ほどと短く、訪れる人もさまざまなアーティストの発表を見に来ているので、それに合わせた形が良いということが話し合われました。
小宮さんのプロジェクトは、日本語とフィンランド語を融合したオリジナル言語「KOE語」で作った歌を扱うことから、言語に関わる人をイベントに呼び、作品を見てもらうことが検討されました。アセガさんからは、Endangered Language Allianceの共同代表者や、ニューヨーク市立大学大学院センター内の消滅の危機にある言語に関するプログラムの学生、またNEW INCともつながりがあるフィンランド文化協会などが候補として紹介されました。
小宮さんは、プロジェクトの一環としてKOE語の歌を歌ってもらうパフォーマー、特にアルタイ諸語であるトルコ語やモンゴル語話者を探しているということで、アセガさんから、Harvestworksの今年のレジデンシーや、NEW INCのプログラム「Extended Realities」に参加しているアーティストのなかから探してみることが提案されました。
最後に、言語は文化を表すひとつの手がかりであるという観点から興味を持つアーティストは多くいるのではないかということや、AIによる翻訳手段が広がるなかで、なぜ新たな言語を学んだり、第二言語を使うのかというテーマの重要性が高まっている点について意見交換されました。

アドバイザー:イェスル・ソン
活動をできるだけ多くの人に届けるには

アドバイザーのイェスル・ソンさんとの面談では、小宮さんがニューヨークで参加予定のイベントや展覧会、屋外パフォーマンスへ人を呼ぶにはどういった方法があるのか話し合われました。
小宮さんは、渡米後すぐに開催されるNEW INCの「DEMO2026」で作品や活動を紹介する予定のため、その後に開催される展覧会やパフォーマンスについて、イベント参加者へどう周知するのが効果的なのかソンさんに尋ねました。ソンさんからは、最近では紙のチラシはあまり使われず、SNSやイベントチケットサービスアプリなどの利用が主であることが共有されました。また、あえて何か物理的に手渡すのであれば、作品のテーマに関連していて、受取った人が取っておきたくなるような物をつくるのが良いのではという提案がされました。
その他の周知の方法としては、言語とテクノロジーにまつわるイベントを月次で開催しているWordHackや、Endangered Language Allianceが開催するイベントなどに参加することで、相手のこともより深く知ることができ、長く続く関係性が築けるのではないかという議論もされました。また、NEW INCも含めて各団体にはメーリングリストがあるので、そういったネットワークを活用することも話し合われました。

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